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未来を託す君たちへ!

                      信州沖縄塾共同代表 塾長 伊波 敏男           

 

■信州沖縄塾開塾から15

  沖縄問題を学び、知り、それぞれが自らの課題として考えよう、そして、自分ができることから足を踏み出そうとの呼びかけで開塾されてから、今年で15年を迎えるようになりました。 

  長野県民にとって沖縄は遠い地にあり、いつかは癒しを求めてみたい、遠い南の島にすぎません。しかしながら、沖縄の県民は一時も癒されることはないのです。米軍基地被害に日々あえぎ、日本国の安全保障のために、72年前から引きつづき、新たな「戦争へ備える軍事基地という重荷に背負わされたままです。まさに、尖閣列島問題や北朝鮮によるミサイル発射や核開発問題が起きると、いち早く「戦争」を実感させられる地域です。しかしながら、この現状を長野県民はあまりに知らされていない。沖縄にかつて1,300発の核弾頭がいつでも発射できる状態でON状態であったことや、その核ミサイルの一基が誤発射され、那覇沖であわや核爆発によって、地球上から沖縄が消えたかも知れない危機に直面していたことも、私達は今年になって知らされる始末です。また、沖縄の米軍基地の「核ミサイル」についての存在は、「安全保障上の理由から、その有無について明らかにしない」と、日米政府は答えています。

  日米安保体制はわが国の安全保障にとって、多くの国民が必要だとしているが、その人たちの頭には、日々、いつ落ちてくるかも知れない米軍機や米兵・軍属による犯罪被害におののいている沖縄県民の日常生活へ危機感は、すっかり抜け落ちているのです。 

「長野県民は沖縄の実態を知らされていない。沖縄県民の悲鳴が届いていない」沖縄の現況を知らせたい。このことが信州沖縄塾開塾の契機となったのです。

  今年の8月で塾生が130名、協力者を含めると200余名の方々が参集する、沖縄関連問題に特化した学習市民組織になりました。

この間、沖縄からお招きしたゲストは約60名に上り、講演会や学習、報告書の刊行、また、塾生による自主講座と映画の自主上映会、保有する沖縄関連DVDを活用する定期的なDVD上映会、文化・芸能公演や料理教室なども企画し、文化側面からの情報提供にも努めてきました。

  特筆すべ活動として、松川村立松川中学校三年生発行の『沖縄新聞』触発され、20101021日、信濃毎日新聞紙に意見広告『この豊かな海を戦争のための基地にさせない!』の募集に取り組み、わずか75日間の短期間にもかかわらず、賛同者数4,366(内匿名希望者561)から514万円の浄財が寄せられ、二日間にわたって信濃毎日新聞紙面を飾ることができました。また、数次の沖縄連帯ツアーを組織するとともに、塾生各人が足しげく普天間・嘉手納・辺野古・高江に出むき反対闘争に参加してきました。その結果、沖縄の反基地闘争に参加されている皆さんには、信州沖縄塾の認知度は高く、親密感をもって迎え入れてくれるまでになりました。

  しかしながら、この頃、信洲共同代表塾長として、ある危機感を覚えるようになりました。それは集会で出逢う皆さんが高齢化層に固定化していることです。この国の現状に危機感を持ち、この国の未来の在り方を考えようとしている活動にも関わらず、この国の未来を背負うべき若者世代の参加者は数えるほどしかありません。

   信州沖縄塾の組織も同じ組織状況にあります。若者世代の入塾者が少ないのです。現塾生たちの問題意識と気力は旺盛ながら、これまで次々と新しい企画を立て、活力に満ちた行動力には、少々息切れが見えるようになりました。

 このような組織状況もあり、これまでのような企画や市民運動方法では、沖縄問題から提起している「平和立国日本」を目指す次世代の育成は、到底、応えられそうにないのではないかと危機感さえ覚えます。

近隣諸国とわが国をめぐる関係は、近年、特に緊張状況下にあり、安倍政権は衆議院選挙の余勢を振りかざし、一気に平和憲法が持つ基本理念の壁を切り崩しにかかろうとしています。アメリカのトランプ政権の尻馬に乗り、北朝鮮の核開発とミサイル発射には、Jアラートを鳴り響かせて、国民の危機意識をあおり、防衛力強化と日米安保の必要性に世論を誘導しています。それに乗ずるように、南西諸島では国境警備強化を大義に掲げ、新たな自衛隊基地の建設まではじめています。

 現在、日本国の政治方向を隠然と牽引しているが「日本会議」という政治集団です。この組織は、当初は右翼的学生組織として出発し、成長の家、神社本庁の財政支援を基に、皇室をヒエラルキーとする帝国日本国への復古を目指す政治組織です。「日本会議」は、長期的戦略で人材育成をしてきました。今では、「日本会議」メンバーでなければ、保守政治の首長、地方・国政の議席を得ることができないほど日本の政治に影響力をもつまでになりました。このままでは、この国の未来に取り返しのつかない結果を招くのは間違いありません。

  それでは、私たちはなす術もなく、安倍自公政権の暴走に、ただ、手を拱いているだけでいいのでしょうか? 今、なすべきことは何か? 「日本会議」に負けない人材育成、特に未来を託するのにふさわしい若者世代の育成することを急がなければなりません。

■プログラム「未来を託す君たちへ」

  長期的視点に立ったこのプログラムの主命題は、わが国が二度と戦争を引き起こさせないための次世代の育成です。

戦争に一番近い沖縄県と戦争の深い傷跡を持つ長野県の未来を背負う次世代に、何を語り継ぎ、学ばせ、どのような生き方をすべきか。自分自身で選ぶ力を培わせるための「平和学習」は、どのような具体的プログラムを作成する必要があるかとの視点で作られたものです。

  さて、戦争の惨禍をくぐってきた世代は、わが国が犯してきた歴史の過ちを、次世代に伝える責任を果たしてきたのだろうか? 今のこの国の状況を顧みると、平和の尊さを子供や孫に伝えることに失敗したと言えるかもしれない。

2016年の国勢調査によれば、あの太平洋戦争と戦後の悲惨さを直接体験し、記憶に刻んでいる75歳以上の世代人口は1,269万人、人口構成比で9.98%の一桁台になってしまった。わが国の負の歴史を語り継ぐのは、ますます、困難になりつつあります。

また、文部科学省の学校教育への介入が強められ、社会・歴史教育の右傾化が強められた結果、富裕層と貧困層の乖離が明らかになりつつある、わが国の社会状況下でも、若年層は現状に満足し、この国の将来には無関心で、それどころか現状容認と保守化傾向が強められつつあります。

  その実例が、2016年の第24回参議院選挙の投票行動によれば、全有権者の投票率は 55.70%であるが、今回から18歳以上にも投票権が与えられたはじめての国政選挙にもかかわらず、18歳の投票率が51.17% 19歳の投票率は39.66%と低い。この傾向は、国家権力のタクトには無批判に「一同右向け右」の号令ひとつで、武器を手に取る危険性を示すものです。

■現地で学び合う「平和学習」を 

  「平和学習」の基本は、現地に立ち、歴史の実体験者から聞き、学ぶことが基本です。

沖縄県で学べる課題は「戦跡」があり、また、「米軍基地」が過度に押しつけられている現状があります。長野県には「松代大本営地下壕」と「満蒙開拓平和資料館」があり、両県の共通項は戦争の傷跡ですが、戦争をいつも近くに実感している米軍基地の有無では、大きな違いがあります。

  その両県の中学・高校生が相互に訪問し、「平和」「民主主義」「人権」「自然環境」を学び合うことは、次世代育成にとって益々重要度を増すものと思われます。

このプログラムの特徴は、子どもたち自身がホストとゲストという主体的役割を果たし、大人はサポートする従たる立場を堅持することにあります。また、両県には気候風土の違いがあり、それぞれの自然環境を学び合うことも重要視したいと思います。

■プロクラム実施にあたっての懸案事項

   長野県内には沖縄問題に関心を持つ市民団体がありますが、今年の8月に7団体によって「信州・沖縄ネット」が結成されました。この「未来を託す君たちへ」のプログラムを共同して取り組みたいと同ネットと沖縄の琉球・沖縄センター風プロジェクトに提案していますが、今のところ余りに大きな課題提起のため、総論賛成、各論躊躇の域を超え切れていない状況にあります。しかしながら総論賛成に希望を託し、どのような方法ならばこのプログラムの実現に具体的に取り組めるのか、まず小さく産み、大きく育てることに取り組んでみたいと思います。

  このプログラムの詳細はパワーポイント40画面で構成されており、関心お持ちの方にはUSBの提供もできます。今回の写真ページはその要約であり、会員の竹内茂人さんの協力で作成されたものです。

共催団体づくりは長野県、沖縄県とも未だ検討中であり、プログラムの具体的なアクションまでには、少しばかり猶予時間が必要です。

共催団体【長野】信州・沖縄プロジェクト

【沖縄】琉球・沖縄センター 風プロジェクト

長野では一月に、信州・沖縄プロジェクトの賛同者が集まり、このプロジェクトの実現へ

向けての検討が予定されています。当初提案では、対象者を中学二年生と限定していましたが、この対象派遣者と交換派遣数についても、柔軟に対応すべきとの意見が寄せられており、検討課題となっております。

■プログラムの内容と課題

【派遣対象層と派遣人数】

中学生を中心に、毎年5人の相互派遣。

【派遣時期】

沖縄県➟春休み期間➟スキー・松代大本営地下壕の入壕可期間。長野県➟夏休み期間➟海。

【募集方法】

基本テーマの作文による公募選抜とする。

【ホスト・ゲスト】

派遣対象者が主体的役割を担い、それぞれホストの役割を果たす。

案内学習地の事前学習と資料の作成。資料作成について大人はサポーターに徹する。

【プログラム実現のために】

告知方法地元紙・インターネットの活用。

【事務局体制と派遣費用基金づくり】

専任事務局体制と派遣費用の基金づくり。

【帰郷後の報告】

派遣者の報告➟地元紙・インターネット。報告会の企画。

【共催団体の募集】

長野県➟信州・沖縄ネット・他の共催団体の募集

沖縄県➟琉球・沖縄センター・他の共催団体の募集

【地元紙の共催】

信濃毎日新聞、長野市民新聞、市民タイムス、中京新聞等。

 

 以上がプログラム要項です。ぜひ、人力誌読者のご協力をお願いしたいと思います。

                20181073号 人民の力誌・新春号より転載)

 

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- | 2018/01/20 7:01 PM
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